プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの上沢直之投手が、
X(旧Twitter)で「くたばれ」と中傷した匿名アカウントに対し、発信者情報の開示を求めて提訴しました。
東京地裁は10月15日、投稿は人格否定に当たるとして開示を命じています。
SNS時代における中傷への法的対応が、現実に動いた象徴的な判断です。
この記事では、判決のポイント、開示までの実務フロー、想定される損害賠償や刑事リスクまでをお届けします。
ぜひ最後までお読みいただき、この記事が皆様にとって価値ある情報となれば幸いです。
上沢直之投手のプロフィール

氏名 | 上沢 直之(うわさわ なおゆき) |
---|---|
所属 | 福岡ソフトバンクホークス(背番号10) |
生年月日 | 1994年2月6日 |
出身地 | 千葉県 |
身長 / 体重 | 185cm / 88kg |
投打 | 右投げ / 右打ち |
主な経歴 | 専大松戸高 → 北海道日本ハム → 海外挑戦 → ソフトバンク |
上沢直之投手への中傷「くたばれ」投稿事件の全貌

X(旧Twitter)で起きた悪質な誹謗中傷の具体的な内容
匿名アカウントが上沢投手に対して「くたばれ」と投稿しました。
攻撃的かつ侮辱的な語で、対象者の尊厳を踏みにじる表現です。
裁判所はこの投稿を人格否定と評価しています。
上沢投手が「人格否定」と断じ、法的措置に踏み切った経緯
今回の投稿は意見表明の域を超え、名誉・人格権を侵害すると判断。
上沢投手側は、法的手続により投稿者の特定を目指しました。
東京地裁が情報開示を命令!判決のポイントを3つに要約

決め手となった「社会的評価の低下」とは?
名誉毀損や侮辱で重視されるのは「社会的評価の低下」や「人格権侵害」です。
今回の語は人間性を否定する強度が高く、社会的相当性を逸脱していると判断されました。
なぜ「表現の自由」は認められなかったのか
公益目的や真実性・相当性の主張が成り立たない。
単なる侮辱語で、議論に資する内容を欠く。
投稿者は誰?特定までの流れと待ち受ける厳しい結末

プロバイダ責任制限法(現行制度)とは?発信者特定までのステップ
ステップ | 具体的な手続 | ポイント |
---|---|---|
1. 証拠保全 | 投稿URL、スクショ、日時、IDを保存 | 削除対策として複数形式で保存 |
2. 開示の申立 | 裁判所に発信者情報開示の申立・訴訟 | 提出資料の整合性が重要 |
3. プラットフォーム開示 | IPアドレスや登録情報の開示 | 海外事業者でも日本の裁判所経由で可 |
4. 接続業者特定 | IPからプロバイダへ再度開示請求 | ログ保存期限に注意し迅速対応 |
5. 本人特定 | 氏名・住所等が判明 | 民事・刑事の追及へ移行 |
慰謝料はいくら?過去の傾向から見る損害賠償額
ネット上の名誉毀損・侮辱の慰謝料は、個人間で10万〜50万円、悪質・拡散大のケースでそれ以上に上振れする例があります。
著名人に対する攻撃、反復継続、拡散規模、謝罪の有無などで増減します。
賠償額に影響する主な要素
・侮辱語の強度(例:「くたばれ」などの人格否定)
・フォロワー数・拡散規模(リポストやまとめサイト)
・被害回復措置(削除・謝罪・和解)
・反復性(単発か複数回か)
刑事罰の可能性も?名誉毀損罪と侮辱罪の違い
罪名 | 成立の典型 | 法定刑 | 留意点 |
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名誉毀損罪 | 具体的事実の摘示で社会的評価を低下 | 3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金 | 公益目的・真実性等で違法性阻却の余地 |
侮辱罪 | 事実摘示のない抽象的侮辱(暴言など) | 1年以下の懲役・禁錮、または30万円以下の罰金 | 2022年改正後は厳罰化の傾向 |
すぐ役立つ:被害に遭ったときの初動チェックリスト

- 投稿のURL・ID・日時・スクリーンショットを保存
- 感情的に反論しない(拡散の二次被害を防止)
- 専門家に相談(証拠化・期限管理)
- プラットフォーム→IP→接続業者→本人特定の流れで迅速に申立
まとめ:SB上沢直之投手「くたばれ」中傷
・「くたばれ」は人格否定の強度が高く、違法評価に直結
・東京地裁は発信者情報の開示を命令。中傷抑止のメッセージ
・特定後は慰謝料請求や刑事告訴も視野
インターネットの向こう側には必ず生身の人がいます。
匿名であっても、越えてはいけない一線があります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
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